商業登記簿謄本をオンラインで請求する時のメモ。
不動産や法人などの一定事項を法務局の登記簿に記載する事を登記といいます。
これにより権利関係やその内容などが公示され、取引の安全が保護される事になるという仕様。
昔は登記の内容を紙の台帳に記載して保管していましたが、現在ではほとんどの法務局が電子化され登記の内容は電子データとして保存されるようになりました。
登記されている内容については誰でも閲覧する事が可能で、一定の手数料を払う事により登記された内容と同じものを印刷した謄本を入手する事ができます。
→法務省:オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)
今回は法人の商業登記簿謄本についての話。
商業登記簿謄本には、商号・本店所在地・事業目的・役員の名前などなど、その会社についてだいたいの概要を把握できる事項が記載されています。
何らかの許認可の取得であったり、もしくはその法人が何らかの変更を行う場合など、法的な手続きを行う際に商業登記簿謄本が必要になる機会は多いです。
士業に携わっていたり金融関係の仕事などをしていれば目にする事も多いでしょう。
目次
登記簿謄本はオンラインで取得申請できる
一昔前は、この登記簿謄本を取得する為に管轄の法務局へ直接出向く必要がありました。
しかし現在では法務局のデータが電子化された事により、最寄りの法務局で違う管轄の法務局の登記簿謄本を取得する(一部できないものもあります)、オンラインで申請し自宅にいながら郵送で取得する、などわざわざ遠方の法務局へ出向かなくても手に入れる事ができるようになっています。
謄本の請求に必要な手数料も昔に比べてずいぶん値下げされました。
以前は1通取るのに1000円くらいかかっていましたが、何度か段階を経て値下げが行われ、現在は平成25年4月1日から改訂された手数料の価格が適用されています。
この手数料は請求の仕方によって違います。
例えば商業登記簿謄本の場合(2014/10現在)。
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法務局の窓口で請求 600円
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オンライン請求で郵送交付 500円
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オンライン請求で窓口交付 480円
郵送の場合、一歩も外にでなくても登記簿謄本の取得が可能ですが、最短でも翌日着という形になりますのでどうしてもその日に入手しておきたいという場合は、選択肢から外れます。
上述したように現在では管轄の違う法務局が管理している登記簿謄本も近くの法務局で取得可能になっていますので、当日欲しい場合は窓口へ行く事となります。
オンライン請求→窓口で入手の場合、窓口で申請書を書いて謄本を取得するより若干手数料が安くなります。
わずか120円くらいの差ですが、大量に取得するのであればこの価格差も考慮すべきかなという金額。また後述しますが、金額の話よりもオンライン請求→窓口受け取りの方法のほうが窓口請求に比べて色々とメリットがあったりします。
ですので特に何かない限り、オンライン請求→窓口受け取りを選択する方が多いです。
登記簿謄本のオンライン請求で管轄の違う法務局での窓口受け取りはできるのか
さてこの登記簿謄本の「オンライン請求→窓口受け取り」ですが、1点だけ疑問がありました。
それはオンラインで請求した商業登記簿謄本を、その法人の管轄外の法務局で受け取れるのかという事です。
元々窓口での請求であれば他の法務局管轄の登記簿謄本でも取得できるので、たぶんオンラインでもそこは変わらないだろうとは思うのですが、ザッと調べてみてもそのあたりを説明しているものは探しきれませんでした。
そこで実際に試してみる事に。
オンライン請求で登記簿謄本を別の管轄の法務局で受け取る事は可能
さっそくオンライン申請。
→登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと
登記簿謄本を申請する法人の選択→請求内容の確定→料金の支払いと操作を進めていくと、郵送受け取りか窓口受け取りか選択する項目があります。
窓口受け取りを選択すると、今度はどの法務局で受け取るか選ぶ事ができます。
どうやら管轄関係なしにどこの法務局でも受け取りはできる様子。
結論としては、まったく別の管轄の法務局の登記簿謄本をオンライン請求して最寄りの支局の窓口で受け取る事は可能でした。
実際に行ってみる
一番近い法務局といえば堺東にある堺支局なので、今回はこちらで受け取る事にしました。
申請手続きが終了すれば、インターネットバンキングで入金。
その後申請情報の画面を印刷し法務局へと持参。
通常、法務局の窓口で登記簿謄本を請求するには窓口付近にある登記事項証明書交付申請書を記入し、申請。その後手数料分の収入印紙が必要になります。
オンラインで請求した場合はこれらの手続きがすべてネット上で終了しているので不要です。窓口へ行ってさきほど印刷した電子納付情報のページを渡すだけで手続きは終了。
登記簿謄本はあらかじめ印刷して用意されているので、引き替えにすぐ渡してもらえます。
待ち時間は無し。
実はオンライン請求→窓口受け取りにするメリットはここにあります。
大阪の場合、時期によっては法務局が混んでいる事もよくあり、何かを請求する時でもそこそこ待たされたりします。
請求手続きだけでなく、収入印紙を買うのにも行列ができていたりします。
しかしオンラインであらかじめ請求手続きをすましておくと、これらの待ち時間が大幅に短縮されます。非常にスムーズ。
結局この時も法務局に着いてから5分とかからず出てくる事ができました。
費やした時間の大半はエレベーターを待っていた時間です。
堺の法務局ってなんであんなにエレベーターが来るのに時間かかるのでしょうか。