会社の設立や変更登記など、法務局へ登記申請する時の書類の中に、別紙OCR用申請用紙)と呼ばれるものがあります。

これは法務局の商業登記簿に登録される内容を記載した書類です。
用紙は法務局の窓口で無料入手可能。
印刷や記入内容などを失敗した時を考えて、必要数より少し多めにもらっておきましょう。

現在ではFD(フロッピーディスク)・CDなどに記録して提出する事も可能であり、オンライン申請をする場合なども、データのみであればわざわざ印刷して作成する必要はありません。

CD等に格納して申請した方が、印刷と違っていちいち代表印を押印しなくて済むということもあり楽といえば楽です。

ただ、Windows特有の漢字の問題(「辻」の字の一点しんにょうと二点しんにょうなど)のように、PCのモニタに映っている文字と電子データとして法務局に渡した内容の文字が違ってしまうというようなトラブルもあります。

その為、OCR用紙に印刷せずに申請する時には少し注意が必要です。

問題を起こしそうな漢字が地名や氏名に含まれている場合は、おとなしく別紙(OCR用紙)にて登記申請する方がトラブルが起きなくて安心かもしれません。

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商業法人登記OCR用紙の書式設定

OCR用紙(別紙)には最初からそれぞれの欄が印刷されていますので、文字の位置を合わせて印刷しなければなりません。その為に必要な書式設定です。

Wordの設定


・用紙サイズ B5
・文字数 一行あたり35文字
・行数 1ページ23行

・文字の大きさ

  明朝体(MS明朝等)は10.5~11p
  ゴシック体(MSゴシック等)は10.5~12p

・用紙の余白

  上端 26mm
  下端 36mm
  左端 15mm
  右端 16mm

面倒な場合は、本屋さんにでもいって会社設立の書式付きの本をどれでも買ってくるのが一番楽です。たいてい最初からこの書式に設定したWordファイルが付属していますので、一切変更せずそのまま利用すれば間違いありません。

本を買うのがもったいない場合は、法務局のサイトからもダウンロードできます。(ちょこちょこアドレスが変更されるので、URLは貼らないでおきます)

OCR用紙記載上の注意点

その他注意事項

・全て全角文字
・文字のフォントやサイズを途中で変更しない

・住所、氏名等に空白(スペース)を入れない

 正)大阪太郎
 誤)大□阪□太□郎
 誤)大阪□太郎

もし空白スペースを入れてしまっても登記申請は受理されます。そして登記簿謄本にもちゃんとした形で掲載されます。しかし本来は「空白スペースなし」とするのが正解です。

登記記録には空白スペースが登録できないのでこのような形になっています。

氏名については空白スペースを入れてしまってもそこまで問題ありませんが、住所の場合には注意が必要です。

空白を認識しないので区切り代わりに空白スペースを使用していると無視されてしまい、結果的にどこが数字の区切りなのか不明という事態になってしまいます。

例)堺市中区○○1番地2大阪ハイツ105号という住所の場合

 正)堺市中区○○1番地2大阪ハイツ105号

 正)堺市中区○○1番地2(105号)

 誤)堺市中区○○1番地2□105号

 空白が無視される為↓
【堺市中区○○1番地2105号】と数字が連続して登録されてしまい、判別がつかなくなる。

・資本金の額の表記に「十百千,(カンマ)」を使用しない。

 正)金1億5200万円

 誤)金1億5、200万円
 誤)金1億5千2百万円
 誤)金壱億五千弐百万円

注意点としては以上のような感じです。

その他細かい事について調べるのであれば、法務局へ行くと手引きを貰えます。専門職なら入手しておいた方がいいでしょう。
ネット上で変な知識を漁るよりそちらの方がよっぽど正解です。