昨年、検索エンジンのYahoo JapanはGoogleの検索エンジンを採用しました。その結果今ではどちらの検索結果もほぼ同じとなっています。

Yahoo! presentation
Yahoo! presentation / PalLoberg

「ヤフーがグーグル化した」などと言われました。

元々Yahoo Japanの検索エンジンはかなりひねくれたものだったので、まじめに(正攻法で)SEOに取り組んでいた人ほど、意味の分からない変動に苦しめられていたと思います。その点ではGoogleに統合されたのは喜ばしい事といえるでしょう。

ただ、ここでひとつ困った事が起きました。それはYahoo JapanがGoogleの検索エンジンを採用した結果、リンク(link:)検索が出来なくなった事です。

link:検索とは

バックリンク検索やリンクコロン検索などと呼ばれます。
検索エンジンにおける「検索コマンド」というものの1つで、特定のページに対してリンクするページの数や内容を調べる事が出来ます。

やり方は、検索窓に調べたいサイトのURLの前へ「link:」をつけて入力し、あとは検索するだけです。

「link:http//○○○○(調べたいサイトのURL)」

 こんな感じ

よくライバルサイトの被リンクを調べるのに使われていた方法です。自分が狙っているキーワードで、検索結果で自分のサイトより上位に表示されているライバルサイトがある場合、被リンクがどれだけあってどこから受けているのかを調べる事が出来ました。

少しやり方を変えれば、参入する前段階でどれだけ強力なライバルがネット上での市場にいるのかを調査することも可能でした。

もちろんバックリンクの数や質のみが、検索結果において上位表示される(SEO)為の条件ではありませんが、重要な要素の1つであることは確かです。その為このlink:コマンドを使用した調査は非常に意味があった訳です。

link:検索が有効だったのはYahooのみ

このように非常に便利なlink:検索ですが、その効果を発揮していたのはYahoo検索のみであり、Google検索においてはほとんど使い物になりませんでした。これは実際に今でも試してみればわかります。

Googleの検索窓に「link:http://○○○○」と調べたいURLを入力してみると、何千とバックリンクのあるサイトであっても、検索結果に表示されるのは数十件のみです。

Googleのポリシーとして、検索結果に対するスパム行為等を防ぐ理由で、そのサイトの持ち主以外には被リンクを正確に見ることが出来ないようにしている為、このような事になっています。もちろん自分の運営しているサイトであれば、ウェブマスターツールなどを使うことにより被リンクを確かめる事は可能です。

こんな事情により、他者の運営しているサイトを調べるのであれば「Yahoo検索でlink:検索をする」というのが昨年までの定石でした。

link:検索の現在

そんなlink:検索ですが、YahooがGoogle化した現在どうなっているのでしょうか?大体想像はつくと思いますが、今はYahoo検索において「link:http://○○○○」と検索してみても昔のように被リンクを調べる事が出来ません。つまりlink:の検索結果もGoogleと同じになっているのです。

これがYahooがGoogle化した結果起こった「困った事」です。

Google統合後のバックリンクを調べる方法

ではもうlink:検索は意味がなくなったのか?といえばそんな事はありません。相変わらずYahoo検索においてlink:コマンドを使用した調査をする事は可能です。

ヒントはGoogleの検索結果を採用したのはYahoo Japanだということ。つまり、日本以外のYahooにおいてはlink:検索が生きているということです。

試しにアメリカのYahooで実験

URLはこちら http://www.yahoo.com/

右上の検索ボックスへ「link:http//○○○○(調べたいURL)」を入力して検索してみると、ズラっと検索結果が表示されます。大丈夫ですね。

ちなみにYahoo UK http://uk.yahoo.com/ こちらもOK。

フランス Yahoo Fr http://fr.yahoo.com/

Yahoo Japan以外であれば大体被リンクチェックは可能のようです。

注意点

各国の被リンク数を比べて見るとわかりますが微妙に被リンク総数の数値が違います。何より被リンクの検索結果の並び順が全く違います。

このlink:検索において表示される検索結果の並びは、そのリンクの質を表していると言われています。つまり、より上位に表示されるバックリンクは、検索エンジンにとってSEO上の効果が高いという訳です。

しかし、それが各国によって順番が違うということは、被リンクに対する評価の仕方がそれぞれの国によって違うのではないかと推測されます。

従って、海外のYahoo検索エンジンでlink:コマンドを使えばサイト被リンクの確認は出来ますが、それは日本の検索エンジンの評価とは微妙に違っているということは頭に入れておく必要があるでしょう。

※追記
米ヤフーサイトエクスプローラーの終了について → 2011/7/18