先日DellのXPS M1210にWindows7をインストールしたついでにハードウェアデコーダーのBCM70015を装着してみました。BCM70015とは特定のコーデックによって圧縮された動画の再生を支援してくれるminiPCIカードです。
最近の高性能なパソコンではあまり必要ありませんが、少し古めの「動画再生には若干力不足なパソコン」に挿せばかなりの効果を期待する事ができます。動画再生時にCPU使用率が100%に張り付いてしまうようなパソコンではそれなりに使用率を軽減してくれるでしょう。
加えて若干消費電力も少なくなるそうです。
M1210の場合は元々グラフィック性能自体そんなに非力なパソコンではありませんが、カードスロットが1カ所空いていた事もありせっかくなので試してみる事にしました。
今回はAmazonで購入。
対応コーデックは
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H.264/AVC
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MPEG-2
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VC-1
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WMV9
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MPEG-4
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DivX
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Xvid
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AVS
M1210にBCM7015を装着
早速M1210に装着。
裏返してカードスロットを開けます。
mini-PCI Expressスロットの左側(WLAN)にはすでに無線LANカードを挿していますので、今回使用するのは右側(WWAN)。
M1210の場合はドライバなどでネジを取り付ける必要がありませんので、カチッとはまるようにそのまま差し込むだけです。
あとはさっきと逆にカードスロットの蓋をしめて取り付け作業は終了。
ドライバをインストール
BCM70015を装着後にM1210の電源を入れると自動でドライバをインストールしようとしますがこれはキャンセル。キャンセルというか何もしなくても勝手にインストールが失敗しました。
BCM70015のドライバは最新のものを公式の配布サイトよりダウンロードして手動でインストールします。
→Crystal HD Video Decoder Drivers | Broadcom
この記事を書いている時点でのドライバの最新はver3.6.9
zipファイルがダウンロードされますので解凍します。
いくつかファイルが出現しますが、今回使用するM1210のOSはWindows7 32bitなので32bit用のフォルダを選択。
フォルダの中にあるsetup.exeファイルを実行。
これであとは自動でドライバがインストールされます。
BCM70015を使用してデコードしているか確認する方法
C:\Program Files\Broadcom\Broadcom CrystalHD Decoder\DTS_Info.exeを実行するとタスクトレイにアイコンが表示され、動画再生時にBCM70015が使用されているか確認する事ができます。
未使用時
使用時
環境によってはレジストリを多少書き換えなければBCM70015が動かない場合もあるようです。ただ自分の環境では何もせずとも動いてくれているのでレジストリは弄っていません。
Youtubeやニコニコ動画にも効果あり
BCM70015は結構いろんな動画プレーヤーやブラウザに対応していますが、何もしなくても動作するもの、設定をしなければ動かないものなど色々あります。
たとえばChromeでYoutubeを再生してもBCM70015はデコードをしてくれません。といっても動かないのではなく、ChromeでBCM70015が動くようにflash playerの設定を変更しなければならないのです。ちゃんと設定すればうまくデコードされるようになります。
そういった設定はおいおいやっていこうかと思っていたのですが、今回なんとなくネット動画を再生していたところ、ブラウザのOpera12.17で何の設定もしなくても勝手に動画再生時ハードウェアデコードしてくれる事がわかりました。
Youtubeもニコニコ動画もちゃんと再生支援してくれています。
本当にCPU使用率がガクッと下がるので、動画を再生しながら他のアプリを立ち上げていても以前ほど動作が重くなりません。
これは助かります。
といってもやっぱり最強画質はきつい。
ついでにファイナルファンタジーXIVのベンチマークを試したところ、それなりに見られるくらいの動きにはなりました。※あくまで個人の体感です。
→ファイナルファンタジーXIV
なおMHFのベンチマークでは一切支援は効いてませんでした。
MHFに関しては動画の支援がなくてもある程度は普通に動くので、こっちはそんなに問題ではないでしょう。
Opera以外のブラウザで動画を再生する事はありませんので、現状で十分満足です。あとは他の動画プレーヤーでの設定も試していきたいと思います。