日本人は字を読んだり書いたりすることが大好きなようです。
とあるデータによると世界中のネット上に存在するブログの半分は日本語だとか。
(ちなみにツイッターも日本語比率がかなり高くなってきているそうです)

Taking notes the old-fashioned way (II)
Taking notes the old-fashioned way (II) / lxsocon

身の回りをみても、士業の人間がブログを書くことが当たり前となってきました。
ネット上をさらっと巡回してみても、ありとあらゆる人が日々なにがしかを綴っています。

ブログを書くには人によって様々な目的があります。
自分のメモ書き代わりにライフログとして、他のブロガーとつながる為の交流の場として、集客の為の見込み客集めとして、などなど。

もちろん目的なく、なんとなく書いているという人もいるかとは思いますが。

当然目的によってブログの内容や組み立ては変わってきます。
見込み客を集めたいのに、単に個人の日記を書き連ねていても効果はありません。
有名人でもない人の今日食べたお昼ご飯の話なんて誰も興味ありません。
(まあ、自分は興味ありますけれども)

逆に楽しんで自由に続けたいのに、いちいち一記事書くたびにキーワードがどうだ、対象顧客がどうだ、アクセスの増減は、などと頭を痛めなくてはならないのはおかしな話です。
ただしんどいだけ。

同じ「ブログを書く」という行為であっても、その目的によってタイトルの付け方から書く記事の内容にいたるまで、全くやり方が違うわけです。

今回読んだのは、ブログをビジネスに利用する為の基礎知識から実践までを具体例を挙げながら解説している一冊。

目次

CHAPTER1 ブログを作ると、こんなことができる!
CHAPTER2 ブログのデザインを考える時に必要なこと
CHAPTER3 ブログを実際に作ってみよう!
CHAPTER4 WordPressで作るブログデザイン実践編
CHAPTER5 ブログをもっと魅力的にするために

解説例として載せられているのは、このアメブロのような無料ブログではなくWordPressを利用したブログ活用事例です。

まずCHAPTER1で、ブログを広報活動として実際に利用している数社の例が挙げられています。
そしてCHAPTER2においてどのような考え方でブログを構築していくのかの解説。
CHAPTER3~CHAPTER5までは実践編となっており、WodPressのインストールからカスタマイズ、出来上がってからの具体的な運営方法についての解説をされています。

インストール方法の項目で解説されているサーバーはロリポップ、XAMPP・MAMP。
その他の一般的なサーバーにインストールする際の汎用的なやり方も説明されてはいますが、本自体の薄さの問題もあり、そこまで詳しい内容ではありません。

プラグインやウィジェットについてもさらっと触れられている程度です。
そのあたりについてはネットで調べればわかる事ですし、どちらかといえばブログを運営する時の考え方、「どうやって集客につなげていくのか」といったノウハウおよびマインドに重点が置かれた内容なので問題ありません。

面白いのは、デザインのカスタマイズの解説で使われているテーマ(アメブロで言うところのスキン)がVicunaのWordPress版という点。

CHAPTER4ではVicunaをカスタマイズした(していく為の)5つの具体例が掲載されています。

通常WordPressのカスタマイズ本といえば、デフォルトのtwentytenのカスタマイズを解説している書籍がほとんどなので、Vicunaを取り上げているのは非常に珍しいです。

WordPressのテンプレートといえば超有名どころの「賢威」、最近では「Digipress」などが高機能かつSEOにも強いことで人気です。

しかしこのVicunaも負けてはいません。

以下公式サイトより抜粋=Vicunaの特徴

主な特徴

  • Web標準に則った無駄の無いシンプルなHTML

  • SEOを高めるサイト内リンク構造

  • 簡単にカスタマイズ可能な専用CSSスキン

  • シンプルだから表示が早い

  • 個人・商用サイトともに利用可能

しかも上に挙げた2つのテンプレートと違い無料です。
ただし、無料なだけに誰かが手取り足取り使い方を教えてくれる訳ではなく、カスタムその他何かをしようとすれば全て自分で調べあげる必要があります。

このあたりは賢威のWP版をカスタムするのも似たような感じですけれど。

その為、このように具体的なサンプルの掲載された書籍があればかなり役に立ちます。ちなみに画像編集の解説ではAdobeのPhotoshop Elementsを使った加工テクニックが紹介されています。

自分のようにGIMPJtrimFSViewerあたりを組み合わせてお茶を濁している人は、さすがに書いてある解説通りには出来ません。

しかし、本の中で解説されていることは大体わかると思いますので、あとは脳内変換で自分の使っているツールに置き換えれば大丈夫です、多分。

ブログのビジネス利用というと、顧客導線だとか、ブログでのリスト集めだとか、ついつい一網打尽的なマーケティングやアフィリエイト・商材販売へと行きがちです。
その手の情報商材も最近では非常に多いですね。

この本ではそこまでガツガツするのではなく、いかに読者との距離を柔らかく縮めていきつつ、継続してブログを運営していくかについての考え方が(簡単に)述べられているので、なかなか面白い一冊でした。