今も昔も三国志は大人気です。
元々陳寿による三国志正史が成立したとされるのが西暦280年頃。
そして様々な物語の基礎となった三国志演義が羅貫中(諸説ありますが)によって書かれたのが西暦1500年代。
原初の正史が成立した時代から1700年以上経った現代においても、いまだに映画・ゲーム・ドラマ・漫画・アニメ・小説・人形劇などの新しいコンテンツを生み出し続ける化け物のような作品です。
STR_1518 / Nguyen Vu Hung (vuhung)
不思議と本国である中国よりも日本人の方が三国志には詳しいそうです。
何故か現代日本においては「関羽雲長」あたりで画像検索するとえらい事になっていますけれども。まあそれでいえば最近は先の大戦時の戦艦名で画像検索しても妙な事になっているので、それも含めてこの国らしいといえばらしいです。
一般的に日本に住んでいて一番最初に三国志に触れる作品は、横山光輝氏の漫画版「三国志」か吉川英治氏の「三國志」でしょう。
ちなみに横山氏の漫画版三国志は吉川氏の三國志をベースにして描かれているとの事です。
自分も最初に三国志を読んだのは横山光輝氏の漫画版全60巻でした。
今回の話とは関係ありませんが、大人になってから読んだ蒼天航路もかなり好きです。
目次
吉川英治版「三國志」が青空文庫に登場
さて、その吉川英治著「三國志」ですが、この2013年に著作権が切れた事により満を持して青空文庫にて公開されました。
青空文庫とは、著作権が消滅した作品等を無料で公開しているネット上の電子図書館の事です。
今年はそもそも著作権切れになる作品が多い年であり、2013年に入ってから柳田国男氏や室生犀星氏などの作品が続々と青空文庫に登録されています。そんな事もあって「青空文庫の当たり年」などとも呼ばれています。
さっそく青空文庫よりダウンロード
青空文庫の吉川英治氏のページより公開されているページをダウンロード。
作品そのものは全10巻ですが、「01 序」と「12 篇外余録(吉川氏による解説と孔明死後の後日談)」を含めて全部で12巻となっています。
この「序」と「篇外余録」については講談社版の三國志では削除されていたりするので(巻数の都合だったようです)、まとめて読めるのは非常にありがたい限りです。
ダウンロードページに進むとこのようにzipファイルでダウンロードするかそのままWEB上で閲覧するか選べます。
ローカル環境で読むかタブレットやスマホなどのモバイル端末で読みたい場合には、テキストファイルをzipでダウンロードしておきましょう。
ダウンロードした青空文庫をパソコンで読む方法
ダウンロードしたzipファイルを解凍するとテキストファイルが現れます。
テキストなのでメモ帳でもその他のテキストエディタでも開くことができます。
ただこのように横書きになっている上、青空文庫形式独特のルビの振り方になっている為、そのままではかなり読みづらいです。
やはり日本語の小説を読む場合は縦書きに勝るものはありません。
「青空文庫 パソコンで読む」などのキーワードでちょっと検索してみればテキストを縦書きにしてくれるフリーのソフトはいくらでも見つかります。
色々試して自分の気に入ったものを使うといいと思います。
おすすめAIR草紙
他にはTxtMiru2.0など
Android端末で青空文庫を読む
PCの画面で長時間文章を読むのは疲れるという人の方が多いのではないでしょうか。どちらかといえばモバイル端末を使って楽な姿勢で読む方が読書っぽくて好みです。
Android端末には、青空文庫のようなテキストを読みやすくするテキストビューワがたくさんあります。
自分が使っている中でおすすめは以下の2つ。
MHE Novel Viewerは有料です。
左が縦書きビューアで右がMHE Novel Viewerで青空文庫を開いた状態。
MHE Novel Viewerは背景色や余白・フォントなどをかなり自由に調整できるので、好みの読みやすいスタイルに変える事が可能です。
(この画像ではわざと縦書きビューワっぽく調整してあります。)
iPhoneなどのiOS端末でもそれなりにいい感じのアプリがあるんじゃないかと思います。ただ自分はiOS端末を持ってないのでわかりません。
もしKindleなどで読みたい場合は、待っていればそのうち無料本で出揃うでしょう。(たぶん)
Sony Readerなどの電子書籍端末で青空文庫を読む
ソニーのReaderや楽天のKoboなどで読むのであればPDFに変換して放り込んでしまえばOK。
もちろんこれらの電子書籍端末でテキストファイルを直接読むことも可能ですが、かなり読みにくいです。
フリーソフトのChainLPなどで縦書きのPDFファイルに加工してから電子書籍端末へ送り込みましょう。縦書きで普通の本のように読む事ができます。
ChainLPでの青空文庫の加工について、詳しくは以下の記事をどうぞ。
個人的に電子書籍端末を読むには、6インチぐらいの画面サイズのものが取り回しや画面の大きさなども含め、一番読みやすいんじゃないかと思っています。
まとめ
スマホの普及により読書量が減ってきつつあるなどと言われていますが、ブログや電子書籍によって文章そのものに触れる場面はむしろ増えてきているような気がします。
こういった文豪の作品がすぐに手に入り、そして場所や環境を選ばず読めるようになるのは非常にありがたい時代になったものです。
著作権切れ作品の増える2013年はせっかくの機会です。3次元の世界がちょっと面倒になったあたりで名作と呼ばれる作品に浸ってみる時間を増やしてみてはどうでしょうか。