行政書士・司法書士や弁護士など、特定の士業が使用する事ができる専用書類の中に職務上請求書というものがあります。

これはその士業の職域において、業務に必要な関係者の戸籍や住民票を職権で取得する事ができる請求書です。たまに士業系のマンガや小説などに登場しますので知っている方も多いかもしれません。

こんなやつです。(これは表紙ですが)

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この職務上請求書は、委任状無しで第三者の戸籍などを取得という、かなり特別な行為のできる書類なので扱いには注意が必要です。

ちょいちょい別の業者に横流ししたり、本来の目的外の事に使用したりなどで懲戒処分を受けている会員もおり、ニュースなどでもたまに見かけたりします。
逮捕者もいますね。

職権用紙はあくまで業務に必要な範囲でしか使用してはならず、単体で戸籍のみ・住民票のみを請求するといった事ができません。と言うか、できるできないの話で言えば戸籍のみの取得でも可能なので許されていないという表現の方があっているでしょう。

行政書士であれば、遺産分割協議書作成の為や離婚協議書を公正証書で作成する場合、また各種許認可申請の添付書類として申請人や法人の役員の住民票などを取得する時に使用します。

職務上請求書の適正な使用について、大阪府行政書士会では以下のように案内されています。

ただ、上記に記されている

職務上請求書は、行政書士が行政書士法第1条の2及び第1条の3の業務を遂行するのに必要な場合に限り使用できます。

という部分の判断も難しいところがあります。

例えば、協議書や公正証書の作成に必要な為取得した戸籍謄本が、最終的には何らかの理由により法務局へ提出される事が予想されそうな場合。

法務局での手続きは、ほとんどの場合行政書士ではなく司法書士業務となります。

従ってそんな時に行政書士の職務上の請求として、この職権用紙を使用していいのか?という問題が生じます。もちろんそこに至る手前の行政書士業務の範囲で使用する為に職権として職務上請求書を使うのは特に問題なしする意見も多いです。

しかし、やはりそのあたりが微妙なのであれば、職務上請求書を使用するのではなく当事者からの委任状をもらってそちらで請求した方がいいのではという事で、職権用紙を使わずに住民票等を請求するケースもあります。

このあたり、明確なケース別の決まりというものがありませんので、取り扱いが難しく人によって考え方も違います。

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職務上請求書が新様式へ変更

この職務上請求書の様式が、今年(2013年)の4月より変わります。
厳密に言えば、去年の7月の入管法改正に伴って書式そのものは変更されていました。

しかし急に新しい職権用紙に切り替えるのは時間的にも難しく、しばらくは経過措置として新様式の職権用紙でなくても使用できていたところ、この4月をもって新様式の職務上請求書しか使えなくなるという次第です。

旧様式の職務上請求書については、昨年の12月より今年の3月末(29日まで)の間、一枚でも未使用分が残っていれば無償で管轄の行政書士会で交換してもらえます。

他府県では郵送で交換対応してくれるところもあるようですが、大阪の場合は本会まで直接出向いて交換しなければなりません。
なにしろ大阪は行政書士の人数も多いので、郵送対応していたら事務局も大変でしょうし、使用済みの請求書の確認も対面の方がなにかと都合がいいのではないかと思います。

4ヶ月ほど期間があった訳ですからさっさと交換しに行っていればよかったのですが、平日に本会に行く用事が全くなく、加えて結構本会も遠いので今の今まで放置していました。
しかしさすがに期限も差し迫ってきたので、どうにか中央区の大阪府行政書士会へと交換にいってきました。

ちなみに、期限がすぎると新様式の職務上請求書が手に入らなくなるというわけではありません。無償で交換してもらえるのがこの3月末までというだけです。

それ以降は通常通り有償で新規購入することができます。

ということで交換終了。

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表紙についてはナンバー以外変更なし。
中の様式もほんの少し変更しているだけです。
使い切っている分にもちゃんと確認のハンコをもらってきました。

いつも思いますが、天王寺あたりに本会の事務所があれば自分たちの地域から近くて便利なんですけどね。
それ言い出すときりがないですけれど。