一時期よく使われていた、クラウド・コンピューティングという言葉。

最近は目にする回数が減ってきたように思います。そういえばWEB2.0なんて言葉もすっかり聞かなくなりました。クラウドという言葉も一時の流行で消えてしまったのか、それともすっかり根付いたので耳にしなくなってきたのでしょうか。

そのクラウドの代表格ともいえるGmailこれはすっかり定着しています。

Gmail en OME
Gmail en OME / Oneras

かつての招待制だった時代からすでに、大容量WEBメールサービスということで有名でしたが、それから更にサーバーを増殖し続け今では7.5GBのオンラインストレージを無料で提供。

それにとどまらず、更に容量は増え続けているので、おそらく近いうちに8GBを越えるでしょう。これだけの容量があれば単なるメールスペースとしてだけでなく、様々なデータを蓄積し、バックアップすることが可能です。

自分もGmailをそこそこ使う方だったのですが、更に使い方を工夫してみようと思い、この本を入手してみました。

目次
第1章 「削除」せず快適にする
第2章 新習慣で時間を最大限短縮する
第3章 「ラベル」と「フィルタ」で徹底的に整理・分類する
第4章 最速、ピンポイントで検索する
第5章 自在に情報を蓄積する
第6章 仕事を効率的に管理する
第7章 密なコミュニケーションでつながる

著者は精神科医でありつつ、15万部のメルマガを発行している樺沢紫苑氏。

Gmailを使用しての仕事術やTipsに関しては、他の著名なビジネス作家の方々もそれぞれの著作の中で紹介していることも多く、ネタとして被っている部分もありますが(というよりはこの本がむしろ元ネタっぽい)それを踏まえても、すぐに応用出来る活用術が満載です。

そもそも、Gmailのアカウントは取得していたもののあまり活用していなかった自分が本格的に使用しだしたのは、Gmailに非常に強力な迷惑メール振り分け機能があったからです。

業務やその他情報収集の為にメールを活用していると、どうしてもスパムメールの量が増えてきます。

メールソフト(Thunderbird)に学習させて振り分けていましたが、そもそもローカルにダウンロードされてしまうだけでイライラ。どうにかWEB上で処理できないか考えていた時に、Gmailのスパムフィルターを一度通してからローカルに取り込む方法を発見し、以後そのやり方でずっときています。

現在は、使用しているメールアドレスは全てGmailへ転送(捨てアカ除く)、その後Thunderbirdで受信。これでほとんどの迷惑メールは、目にすることすらなくなります。

なお、ローカルでメールを削除しても、WEB上のサーバーではメールが消えない設定にしていますので、うっかりメールソフト上で重要なメールを消してしまっても安心です。

Gmail上の空間とローカルの2カ所でメールが保存されているので、自動的にメールのバックアップをとっているのと同じことです。

もともとは転送元のメールサーバーで迷惑メールの振り分け、更にGmailでも迷惑メールの振り分けと、2カ所でフィルタリングをしていました。

しかしその場合、迷惑メールでないメールが間違って振り分けられていないかの確認に2カ所をチェックしなければならず、結構不便でした。

そこでこの本に載っていたやりかたですが、転送元の迷惑メールフィルタをオフにし、フィルタリングはGmailのみに任せるという方法に変更。あとは学習させていけば、かなりの精度でメールを振り分けてくれるようになるでしょう。

この本のなかでは、そういったメール機能以外にもストレージとしてのデータのバックアップ方法もいくつか紹介されています。

特にFirefoxのアドオンであるGspaseを利用し、FTPソフトを使うような感覚でGmailにデータを保存する方法などは、仕事の上でかなり使えそうです。

また名刺交換後、Gmailを応用する事により、コンタクトをとりつつ自動的に相手のデータをデジタル化してしまう方法は、ビジネスに携わる人間であれば実際にやるかやらないかは別として、知識として知っておくべきではないかと思います。

Gmailに限らず、メールをベースとして業務を行う人であれば一度は目を通しておいて損はない本といえるでしょう。