前回の記事の続き。古物市場リストの集め方について。

古物市場のリストが売っていない場合

それぞれの都道府県の古物市場のリストは、古物商許可を取得した後に警察署にて販売しているのであれば「迷わず購入」で問題ありません。

しかし地方によっては貰えない場合もあります。この場合にはどうすればいいのでしょうか?

また「古物市場 リスト 格安」などで検索すると、リストを販売しているサイトがいくつもありますが、こういったところは全国の古物市場のリストをどのようにして集めているのでしょうか?

この説明をする前に、まずは【古物商許可】の種類についての簡単な解説を。

古物営業には大きく分類して以下の3種類あります。

(1)古物商

古物を自ら又は他人の委託を受けて、売買又は交換する営業

(2)古物市場主

古物商間の古物の売買または交換のための市場を経営する営業

(3)古物競りあっせん業

インターネットオークションなどが行われるシステムを提供する営業。
自身が古物を売買しない場合。

このうち(1)と(2)は許可、(3)は届出が必要です。
警察署の生活安全課防犯係を窓口として、公安委員会へ申請or届出を行います。

以上を見て、もう気づかれると思いますが、警察署には許可をした「古物市場主の名簿」が自動的に保存・保管されています。

公文書の開示請求を行う

つまりこの警察が保管しているデータ
【古物市場主の名簿】=【古物市場のリスト】
を入手する方法がわかれば、リストが手に入るという訳です。

ではどうやって【古物市場主名簿】を警察署より入手するのでしょうか?

まずはこちらをご覧下さい
長野県警察の情報公開実施状況

長野県では長野県警察に対して情報公開請求があった場合、その実施状況を全てサイト上で公開しています。

この中で「請求のあった公文書」の欄を下に見ていくと、

  • 【古物市場の名称及び市場開催の代表者名、開催場所、連絡先(電話番号)、取扱い区分等古物市場の情報が分かるもの】
  • 【長野県内で古物市場を営んでいる者の住所、連絡先、営業所名等について解る文書】
  • 【長野県“古物市場主一覧表”】

などの請求内容が見つかるかと思います。これらが【古物市場のリスト】です。

そして全て「全部公開」の決定がされています。

これは一体何をしているのかといえば、警察署に対し【公文書の公開請求】を行っているのです。(もしくは公文書の開示請求とも呼びます)

簡単に解説
原則として、すべての国の行政機関が保有する情報は、開示請求者に対し開示されなければなりません。つまり公文書を「見せて」と言われれば、見せなきゃならないということ。
行政書士試験で勉強した人ならわかると思いますが、これは【情報公開法】という法律に基づく国民の権利です。
(ちなみに、不開示情報についてや、立法府と司法府の情報は開示の請求にならない、など色々とありますが、難しい話の好きな人は「情報公開法」の条文を読んで下さい)

以上の事より、この【古物市場主名簿】=【古物市場リスト】については、請求されれば都道府県警察は必ず開示を行ってくれます。

他府県からの請求であってももちろんOK。
「古物市場 リスト 販売」などのキーワードで検索すると出てくる販売サイトは、こういった方法で全国の古物市場リストを集めているわけです。

では具体的にどういった手続きを踏めば公文書の開示請求を行えるのでしょうか?
ちょっと長くなりそうなので続きます。→続き