2月に入って確定申告のシーズン真っ盛り。
確定申告は直接役所へ出向いて、郵送、など様々な方法で手続きできますが、自分は個人事業主になって最初の申告からずっとe-Taxを利用してネットで手続きを行っています。書類での確定申告を行った事がありません。
通常、役所相手のなんらかの手続きをする時にはたいていの場合印鑑が必要になります。しかしネット経由での電子申請の場合、申請内容はデータで送られる為、物理的に「押印する」という事は不可能です。
そこで必要になるのが電子データ上の印鑑代わりになる「電子証明書」という存在。たとえばe-Taxの場合、住所地の市役所で入手できる公的個人認証サービスの電子証明書が印鑑代わりに利用できます。
現在自分が所持している電子証明書は、行政書士用電子証明書とこの公的個人電子証明書の2種類。公的個人の電子証明書はこの確定申告以外で使用する事が全くないような状態です。
そんな訳でこのシーズンは唯一、公的個人の電子証明書が登場する機会となります。
ところが今年の1月頃、市役所よりこんな書類が郵送されてきました。
住基カードの有効期間は10年ですが、中に格納されている電子証明書の有効期限は3年です。ですので、その有効期限前になるとこのように「期間満了のお知らせ」が届きます。
ちょうど前回更新してから今年が3年目なので、いつもどおりのお知らせがとどいたのかなと思っていたのですが、今年はちょっと気になる内容が記載されていました。
抜き出します。
平成28年1月より番号法が施行され、電子証明書が搭載されたマインバーカードの交付が始まります。本年度の電子申告が既に済んでおられる場合は、来年度にマイナンバーカードの交付を受けることをお勧めします。
従来であれば、この2月に公的個人の電子証明書が失効する場合は更新(手続きとしては新規の発行申請)手続きを行うことにより、また3年間使用する事ができます。
しかし来年2016年の1月から住基カードの代わりにそれに取って代わるマイナンバーカードの交付が始まり、その中に電子証明書が標準搭載されるとのこと。
つまり2015年中に新しく電子証明書を取得しても、それに変わる新しいものが今後は主流になっていくので、どうせならそこまで待って新しくマイナンバーカードに切り替えてはどうですか?という案内のようです。
マイナンバー制度とマイナンバーカード
マイナンバーという言葉は今まで聞いた事はあったものの、そこまで興味を引かれていなかったのでスルーしていましたが、この機会にちょっと調べてみました。
詳しくはこのあたりのサイトで資料などをダウンロードする事ができます。
→マイナンバー社会保障・税番号制度
マイナンバー制度とは、ざっくりいえば住民票を持っている全ての人にそれぞれ固有の番号が与えられ、行政機関などがそれを個人情報と結びつけて社会保障や税金、その他災害対策など国民サービスの管理の効率化を図るシステムの事です。
昔言われていた「国民総背番号制」というやつ。
なお、一度与えられたマイナンバーは生涯変わりません。
今現在日本では、役所関係の手続きの際に個人を識別する番号が数多く存在します。役所の窓口毎に別々の番号があるといっていいくらい。
例えば
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パスポート番号
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運転免許証番号
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基礎年金番号
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健康保険被保険者番号
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雇用保険被保険者番号
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住民票のコード
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納税者番号
などなど。
しかも見事なまでの縦割り行政により、所轄官庁が違えば横の情報共有というものが一切されていません。
結果的に個人の情報を管理するのに莫大なコストがかかってしまい、かつ管理しきれなくて混乱も生じる状態となっています。
少し前に騒がれた年金の支払い記録が途中で途切れていた問題なども、元をただせばこういった事が原因。
そこで、より効率的に個人の情報を管理する為、あらゆる行政サービスで包括的に使用できる個人識別番号として登場したのが、このマイナンバーです。
2015年中に番号割当てが行われ、2016年より本格的に運用が開始される予定。
ちなみに日本以外の国では、こういった個人識別番号はかなり早くから採用されています。ちょっと日本が遅いくらいです。
そしてこの制度の施行に伴い、住基カードに変わってマインバーカードというものが登場する事になりました。
まず2015年の10月より、住民一人一人に対して市町村より「通知カード」というものが発送されます。これは紙製のカード。
ICチップ付きのマイナンバーカードを取得するには、この「通知カード」を持って市区町村の窓口へ行き、マイナンバーカードの発行申請をする事になります。
その後、晴れてマイナンバーカードを取得という流れ。
なお、紙製の「通知カード」にもマイナンバーや住所・氏名・生年月日などの個人を識別する情報が記載されています。その後のICチップ付きマイナンバーカードの取得は強制ではありません。
しかし、この紙製のカードだけでマイナンバーを利用した何らかの手続きを行う場合には、一緒に運転免許証などの身分証明書が必要になるという事だそうです。
逆にICチップ付きマイナンバーカードを使用する場合はそのカードのみでOK。
他の身分証明書などは不要になります、という仕組み。
そしてマイナンバーカードのICチップの中には、公的個人の電子証明書が格納されます。つまり住基カードの役目はほぼ終わりとなる予定です。
住基カードと公的個人電子証明書
案内により、平成28年(2016年)からマイナンバーカードの交付が始まるという事はわかったのですが、住基カードの扱いなどでいくつか疑問点があったので、市役所に電話して聞いてみました。
住基カードはどうなるのか
今現在、有効な住基カードを所持しているなら有効期限までは使えるそうです。
といっても電子証明書を格納する以外の用途に使用していなかった自分からすると、持っていたところで特に使いどころがありません。
なお、IC付きのマイナンバーカードを発行してもらいにいった際、住基カードを所持している場合は住基カードと交換でマインバーカードを交付するという形になるそうです。
つまりマイナンバーカードと住基カードの2枚持ちは不可。
そもそも2枚持ちをする意味はなさそうですけれど。
現在の電子証明書はどうなるか
住基カードに格納されている電子証明書も有効期限まで使えるそうです。
ただしマイナンバーカードが交付されてからは、住基カードの有効期限が残っていても新たに電子証明書を格納する事はできないとのこと。
平成28年(2016年)以降、電子証明書はマイナンバーカード専用でしか発行申請ができなくなる様子です。
電子証明書の有効期限内に確定申告を終了する
結局今回は、新たに電子証明書を発行する事なく、有効期限内にe-Taxでの確定申告を終える事にしました。
2月末には有効期限が終了するので、それから先は公的個人の電子証明書を使用する事ができません。自分の場合、仕事では行政書士用電子証明書を使うので確定申告以外に公的個人の電子証明書を使う事はないですが。
調べていると、なんだかマイナンバーカードも面白そうだったので、来年よりマイナンバー制度が始まれば、試しに取得してみたいと思います。