無料の画像編集ソフトGIMPはデフォルトのままでも様々な機能がありますが、後からプラグインやスクリプト(マクロ)を組み込む事で更に機能を拡張する事ができます。
今回はそのスクリプトの中で以前に紹介した「レイヤーを座標指定して移動させるスクリプト」について。
gimp-GIMPresionist-hack / PhotoComiX
GIMPは作業中にマウスドラッグでレイヤーを移動させる事ができますが、複数の画像の端をピタッとあわせたい時などちょっとズレたりして手動ではなかなか難しいところがあります。そんな時に便利だったのが座標指定によってレイヤーを移動させられる「レイヤー移動スクリプト」でした。
レイヤー移動スクリプトがなくなっていた
先日パソコンのOSを入れ替えた時の話。
ついでにGIMPも最初からインストールしなおしたので、このスクリプトをもう一度入手しようと配布サイトに行ってみました。
すると、配布サイトが消えていました。
個人の方が作成して配布してくれていたものなので、こういった事があるのは仕方がありません。
別のパソコンにインストールしていたGIMPのscriptsフォルダにはまだこのスクリプトが入っていたので、それをコピーしてきて使い回してもよかったのですが、せっかくなので同じような機能のスクリプトが他にないか探してみました。
GIMPのスクリプトやプラグインは海外の方が大量に様々な種類のものを作成しているので「layer move script GIMP」あたりのキーワードで検索。
結果いくつかのスクリプトに行き着きました。
中には実際に使ってみるとうまく動かないものなどもありましたが、何種類か試してみた中でうまく動作してくれたのが「Move Layer To」というプラグイン。
こちらを代替として使っていこうと思います。
Move Layer Toスクリプトの入手とインストール
Move Layer ToスクリプトはGIMPのプラグイン配布サイトであるGIMP Plugin Registry | A repository of optional extensions for the GIMP.から入手できます。
そのサイト内での配布ページはこちら。
→Move Layer To | GIMP Plugin Registry
「move-layer-to.scm」をクリックしてスクリプトファイルをダウンロードします。このページにも記載されていますが、このスクリプトはGIMPのver2.6.11とver2.8.2の両方で動作するようです。
今回これ以降の説明はGIMP ver2.6.11を使用しています。
ver2.8.3以降については動作確認していません。動きそうですけれども。
さて続き。
「move-layer-to_0.scm」というファイルがダウンロードされます。
このファイルをGIMPのスクリプトフォルダへコピー。
Windows7環境でGIMP2.6.11をカスタマイズせずそのままインストールしているのであれば
C:\Users\ユーザー名\.gimp-2.6\scripts
↑ここがスクリプトフォルダになります。その中へコピー。
準備はこれで終了。
Move Layer Toスクリプトを使ってみる
まずはスクリプトがちゃんと読み込まれているか確認。
GIMPを立ち上げてみると「レイヤー」の項目に「Move To」というメニューが増えているのがわかります。
実際に使ってみます。
適当に2枚の画像を重ね合わせ、
動かしたい方のレイヤーを選択した状態で
メニューから「レイヤー」→「Move To」をクリック。
座標指定用の画面が表示されます。
下地の画像の左上を基準として絶対値でX軸とY軸の数値を入力します。
ただちょっとよくわからないのですが、通常左端(上)をぴったりあわせるのであればここに数値として「Left(X) 0」「Top(Y) 0」と入力すべきところ両方とも数値に「0」を入力する事ができません。必ず「1」以上でないとダメな様子。
でも「Left(X) 1」「Top(Y) 1」と座標指定した状態で「OK」を押してみると、X軸0・Y軸0の位置にレイヤーが移動します。
その他の数値を入力してみると数値通りの場所に移動してくれるので、これはこれでいいのでしょう。
前回使用していたレイヤー移動スクリプトでは相対値での座標指定ができましたが、こちらは絶対値でしか指定できません。
しかし自分の場合はそれで十分なので、GIMPでレイヤーを座標指定で動かしたい場合はこちらのスクリプトを使うのがいいと思います。