春先頃にふと思い立ち、5月末頃に独自ドメインを取得、6月の頭にアメブロからブログのデータをwordpressへ移行。
6月中は合間を見つけて、移行してきた記事や内部リンクの修正作業。それがようやく終了し、この7月からなんとかまともにブログを再開できるようになりました。
そんな訳でアメブロから離れて一月ほど経過していますが、なにやらここ数日Twitterなどでアメーバの名前をみる機会が増えています。
どうもアメブロの規約が改正され、それが少し話題となっているようです。
Twitterで「アメブロ 商用利用」などで検索をかけてみると、情報が乱れ飛んでいました。
アメブロの商用利用が本格的に禁止に
改正された規約の中で今回注目されているのはこちら
4.禁止事項より引用
(4)弊社の承諾のない商業行為
①無限連鎖講(ねずみ講)、リードメール、ネットワークビジネス関連(MLM、マネーゲーム等を含む)の勧誘等の情報、及びこれらに類する情報の送信等
②商業用の広告、宣伝を目的としたブログの作成(但し、弊社が認めている範囲のもの及び弊社タイアップ等は除く)
③弊社が許可したものを除き、営利、非営利目的を問わず、物やサービスの売買、交換(それらの宣伝、告知、勧誘を含む)を目的とする情報の送信等(物品を販売し、又は契約を締結させることを目的とする無料セミナーの情報の送信等を含む)
④本サービスの一部の利用権を、弊社が定めた以外の方法で譲渡する行為
⑤本サービスの全部又は一部の利用権をもって、現金その他の財物、財産上の利益との交換取引をすること、もしくは交換取引をすることの宣伝・告知・勧誘する行為
そもそもアメブロを商用利用する事は禁止です。
少なくとも自分がアメブロで書き始めた2006年の時点で、規約上でも禁止されていたのを覚えています。しかし、その内容も実際の運用のされ方もかなり緩いものでした。
少し前なら「ブログ上での金銭のやりとりや迷惑行為による宣伝」でない限り、適正な商用利用であれば大丈夫とされていたようです。
「店舗の宣伝ならOK」という話もありました。
おかげでアメブロの商用利用は完全OKだと勘違いしている方もいたぐらいです。
しかし今回、かなり厳密に規約が変更されました。
なかでも注意すべきは②と③。
②商業用の広告、宣伝を目的としたブログの作成
これが禁止されるということは、「ブログで集客」とか「ブログで売上アップ」とかを目的とするアメブロは完全にアウト。いつ削除されても文句は言えません。
「弊社が認めている範囲のもの及び弊社タイアップ等は除く」というクッションは用意されているものの、ここの判断はユーザーには不可能です。
サイバーさんの捉え方次第。
「ブログ集客」を売り物にしてきたコンサルタント達は職を失いかねません。
目ざとい人はすでにアメブロから離脱し、他のプラットフォームのコンサルに鞍替えしだしています。
おかげで「ワードプレスコンサル」などという訳のわからない肩書きもちらほら目にするようになってきました。
人が何を名乗ってどういう仕事をしようがこちらとしてはあまり関係ありませんが、これらのコンサルさんに対し「お金を払う側」にまわるのであれば、ちゃんと物事を考える必要があります。
さっそく削除対策用アメブロバックアップツールの販売に力をいれるプレナーも登場。商魂たくましいかぎりですね。
アメーバはオフィシャルにいる方でも、平気でツールの販売をしているので、このあたりの善し悪しはなんとも言えません。
なお、「アメブロ集客コンサル」→「facebookコンサル」への道はやめておいた方がいいでしょう。ページのタイムライン化などの仕様変更をみてもわかる通り、Facebookはアメブロ以上に商用利用を嫌っています。露骨な販売ページだけでなく、最近ではリスト取り用のページですら削除されたという話も耳にします。
③弊社が許可したものを除き、営利、非営利目的を問わず、物やサービスの売買、交換を目的とする情報の送信等(物品を販売し、又は契約を締結させることを目的とする無料セミナーの情報の送信等を含む)
こちらの文言に関しては、名指しで「セミナーの告知もアウト」と書かれています。
ただし、全くバックエンドを用意していない、かつ無料で行う、本当に情報提供をするだけのセミナーはOKのようです。果たしてそんなセミナーが存在するのかどうかは別問題ですが。もちろん有料のセミナーであれば当然ダメ。
②と③を合わせて考えると、アメブロに直接商材などのバナーを貼ることは完全にアウトとして、それ以外に業務用の別サイトへのテキストリンクを貼っている事やバナーを貼っている事も相当あぶない感じです。
あと、アメブロカスタマイズやテンプレート販売をアメブロ上でされてるWEB屋さんも、規約を読む限りはいつブログが削除されても文句は言えませんね。
さて、ショップの運営やセミナー屋さん、ブログコンサルの方々も大変でしょうが、それよりも気になるのは自分と同じく「士業」に属する方々のブログです。
士業のアメブロは大丈夫?
※ここからは大半を想像で書いているので信憑性はありません。
士業のブログといえども、普通の日記をつらつらと書き連ねているブログなどは規約が変更しようが何も問題ありません。というかブログって本来そういうものですし。
問題になりそうなのは、ブログコンサルさんやWEB屋さんの勧めどおり、集客もしくはリスト取り用にフルカスタマイズされているブログ。
(自分でカスタマイズしたものも含む)。
以下ありがちな士業のアメブロについて考察
・ブログのタイトルが○○業専門の行政書士、もしくはニックネームに業務名が入っている。
これは多分大丈夫ではないでしょうか。
ものすごく厳密に捉えると「商業用の広告、宣伝を目的とした」にあてはまりそうな気がしますが、そこまで細かい事は問題とならないように思います。
【地域名+業務名】をタイトルに含むというのは、アメブロのひとつのセオリーでもあった訳ですし、あまりにも大量に存在しすぎます。
それに自分のブログタイトルもあまり人の事を言えたものでもないので。
ただ、アメブロではありませんが、「タイトルに商品名が含まれるブログは商用利用とみなす」というブログサービスもありますので、安全とは言えません。
・ヘッダー画像、サイドバーのバナーなどに事務所のメールアドレス・電話番号等を記載
「商業用の広告、宣伝を目的としたブログの作成」、「サービスの売買を目的とする情報の送信等」にあてはまりそうです。問い合わせ窓口の作成なども気をつけた方がいいでしょう。
こちらも上記と同じく、サイドバーなどに店舗や事務所の基礎情報を載せる事は商用利用にあたるとしているサービスもあります。
・ヘッダー下のグローバルナビに業務サイトへのリンク、もしくは宣伝ページへのリンク
まごうことなき「商業用の広告、宣伝を目的」ですからダメでしょうね。
・メッセージボードに扱っている業務の紹介、料金表や連絡先の掲載などしている
これが宣伝でなければなんなんだという話なのでアウト。
それだけでなく、ここにセミナーや講座の案内、もしくは出版のお知らせなどを掲載していても規約にひっかかるでしょう。
・記事の上部や下部に事務所の住所連絡先、業務内容などの情報を挿入
そういえば自分もアメブロを書いていた時、これを自動挿入しようとして、なんだかブログの表示が遅くなるのでやめた事を思い出します。
それはさておき、こちらも普通に考えてアウトでしょう。宣伝ではないと言い切るなら別ですが。
・サイドバーから業務用サイトへのテキストリンク(ブックマーク)
正直これぐらいはOKじゃないかなと思っています。あくまで勝手に思っているということで。
規約の文言を相当厳しく解釈すれば、このリンクもダメなんでしょうが、これが原因でブログが削除されるとは考えにくいです。やっていない人を探す方が難しいでしょう。
・セミナーや講座の告知
一番気をつけなければならないのはこれではないでしょうか。
士業のブログではよく見かけるように思います。
今回サイバーエージェントはわざわざ、「無料セミナーの情報の送信等」といったように【セミナー】という言葉を強調して折り込んでいます。セミナーに限らず、講座、~塾、~学校といったようなそれに類するもの全般を指しているのでしょうが、何やらこの手の告知が嫌われている様子。
気をつけるのは以上のような点。
ここのところ削除されたアメブロの傾向をみると、アメーバの何を意図して大量のブログを削除しているのかがなんとなくわかります。
ようするに何らかの「出ていって欲しい種類(タイプ)」のブログがあるということ。
そこから考えるとセミナーの告知をしたからといって、即士業ブログを削除するという形にはならないと思いますが、規約違反にあてはまる状態になっていればいつ削除されても文句は言えないでしょう。
ただ規約の感じだと、普通の勉強会や交流会に関しては問題なさそうに思えますが、このあたりどうなんでしょうか。会費をもらう形式だと微妙なところ。
どちらにしても有料のセミナーや講座の募集・告知は間違いなくアウトっぽいですね。
つらつら改正後の規約をながめてみると、ブログ上でメルマガの募集をするぐらいなら大丈夫そうです。(とはいえ①にリードメールが禁止されているのでそこだけは注意)。
それ以外はほとんどの士業ブログが規約に違反してそうな感じ。
つまりそれを理由にアメブロを削除されても何も言えない状態にあるという事です。
アメブロ削除を気にしなければいけない人は?
ここまで書いていてなんですが、士業ブログをアメーバで書いているほとんどの人は削除を気にする必要がないと思います。
なぜなら文言通りに解釈すれば、規約に触れているブログが多すぎるからです。
今のアメブロのユーザー数から考えて、運営が逐一全てのブログをチェックするのは不可能でしょう。
ならば、なにがしかで目立ったブログだけ目を付けられるという流れになるのが自然です。
士業のブログにありがちですが、なんとなく行政書士はブログを書くのがいいとか聞きつけ初めてみたものの、結局更新は月に数回、あのアメブロ計測のPVですらさっぱりなアクセス数で、ランキングの中でもどこにいるのやら、というようなブログについては何の心配もありません。
間違いなく削除されるような事はないでしょう。
そもそも存在自体があまり認知されていないので当たり前です。
逆に気を付けるべきは、ちゃんとやってしまっているブログ。
毎日きちっと更新し、登録されている読者数も軽く1000人は突破している。
当然それなりにPVもあり、ランキングでも4桁常連のような士業ブログ。
(そんなブログがアメブロに実在するのかはわかりませんが)
こういったところはまずいです。
ここのところアカウント削除されていったブログを観察すると、総合のランキングで4桁に入り出したあたりが一番危険。
おそらくはランキング上位に顔を出したあたりから、運営のチェックがはいるのではないでしょうか。(もちろん想像です。)
しかも「きちっとブログを活用している」ということは、ブログ内において、どうあがいても【商用利用】としか見られないような導線を散りばめている事でしょう。
そういったブログは、今のアメブロの規約でいつアカウントを削除されても文句は言えません。
ただ、正直そこまでブログを活用できている士業の方は非常に少ないと思います。「活用できていない=目立たない=削除の危険はない」が成り立ちますので、大半のブログは削除に関しては気にすることはないでしょう。
アメブロを削除されても復活は簡単ですが
reviving the birds / romana klee
最近削除されているブログなどがよくやっていますが、メルマガ等できちっとリストを取り、アメブロのバックアップもしていれば、ある日ブログが消えても復活は簡単です。
ブログだなんだと大層な事を言っても、要するに「サーバー上にデータがある」というだけの話なので、新しくアカウントを取得しデータを復活させればそれでおしまい。
あとはメルマガ等でブログ移転をお知らせすれば、手順は終了。
形としてはそれだけで対策出来ます。
そのついでにブログを消された事を武勇伝のように語りながら、復活してもいいでしょう。
そもそもの削除された原因についてはあえて目をつぶりつつも、まわりは温かく慰めてくれると思います。
しかし、これはあくまで普通のインフォプレナーやアフィリエイターさんの話。
行政書士、社労士、司法書士、税理士・・その他士業ブログの場合はどうでしょうか?
仮にも普段、法に接する仕事をしていながらその場所の規約に違反し、一度追い出されておきながら、堂々と「復活しました」などと言えるでしょうか。
まあ、言える言えないの話であれば、それはもうその人次第。
モラルの問題です。
それに心配しなくても士業ブログの場合は、よほど何かをやらかさない限りアカウント削除を気にする必要はありません。今回の規約改正で、サイバーエージェントが排除したがっているのは別の業界でしょうから。
しかし問題なのは、削除されなければそれでいいのかという話。
上述したように、普段法律に携わって仕事をしている業種のブログが、明らかにそこの場所の規約に反している(もしくはグレー)状態で、引き続きブログを運営していく事の是非はどうでしょうか。
自分はすっかりアメブロから離れてしまったので、蚊帳の外から眺めるだけですが、今後のアメブロにおける士業の方々の動向は非常に興味深いです。