WordPressには様々なキャッシュ系プラグインがあります。WordPressはその仕様上、普通にしていてもそこそこ重いので、表示スピード改善の為に何らかのキャッシュ系プラグインを使っている人は多いでしょう。
ただ一口にキャッシュといってもページキャッシュ・データベースキャッシュ・オブジェクトキャッシュ等々と様々種類があります。そしてそれぞれに対応したプラグインも複数ありますので、あまり何も考えず有名そうなプラグインをいくつも有効化していると逆に表示が遅くなったりする事もあり、非常に扱いが難しいです。
Vienna WordPress Meetup #2 / Heisenberg Media
実はあまり理解していなかった頃、WP Super Cacheというプラグインで手痛い目にあった事があり、未だにキャッシュ系プラグインには苦手意識があったりします。
ちなみにちょっと違う話ですが、WordPressの高速化系の記事でよくGTmetrixの数値を出されている方がいますが、経験上GTmetrixの数値と実際そのサイトが表示されるスピードって体感で全く違うような気がしていますが、そのへんどうなんでしょう?
あとブログのみに言える事ですが、トップページの表示スピードって少々あがったところで意味ないよね?と思ったり。個別記事の表示速度ならともかく。
目次
WordPressのキャッシュプラグインはQuick cacheがお勧め
なんだかんだと書いていますがこのブログではページキャッシュ向けのプラグインとしてQuick Cacheを利用しています。
このプラグインを利用している理由は設定が非常に簡単な事と閲覧環境に対するキャッシュの出し分けができる事。
普通に何も考えずにページキャッシュのプラグインを利用すると、PCのブラウザ向けに生成されたキャッシュがスマホ等のモバイルで閲覧した時に表示されたり、その逆にモバイル向けに生成されたキャッシュがPCのブラウザで見たときに表示されたりします。
一般的なキャッシュプラグインではこの対処法として、PCで閲覧した時だけキャッシュで対応し、モバイル環境からの閲覧に対してはキャッシュを生成しないという方法がとられたりします。
しかし本来、PCに比べて通信スピードが遅いモバイルでの閲覧時にこそページキャッシュは効果を発揮するもの。それを除外するのではキャッシュプラグインを導入する意味がありません。
この点、Quick cacheはきちんと設定をすれば、PCからの閲覧にはPCビューのキャッシュ、モバイルからの閲覧にはモバイル用のキャッシュを生成し、ちゃんと出し分けてくれます。
つまりユーザーエージェント毎にキャッシュ管理ができるということ。
最近では総アクセスに対しスマホ等からのアクセスが占める割合がそこそこ増えてきていますので、この機能は非常に役立ちます。
バージョンアップで有料版に
そんなQuick Cacheですが、一時期全然(約1年間ほど)アップデートされない期間がありました。そしてもう継続して開発はされないのかな?と思っていたところ、昨年の11月に久々のアップデート。ところがこのアップデートが世界中でトラブルを巻き起こしました。
詳しくはそのあたりの経緯が載っているブログを参照。
問題となったのは2点です。
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PHP5.2の環境では動かなかった
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必要な機能が有料になった
PHP5.2の環境では動かなかった
当時アップデートされた最新版のQuick cacheは、PHP5.2環境のサーバーでは動作しない使用となっていました。しかもその環境でWordPressの管理画面からプラグインをアップデートするとシステムそのものが落ちてしまうという状況が発生。
サイトそのものが真っ白になって表示されなくなり、しかも管理画面からもログインできなくなるのでどうしようもなくなってしまいます。
とはいってもFTP経由でアクセスしてプラグインを停止(もしくは削除)したりその他キャッシュフォルダなども一度消してしまえばどうにかなったのですが、そのあたりの知識があまりない人やパニックに陥った人にはわかりません。
海外のフォーラムなどを覗いてみると、サーバー管理会社に問い合わせてどうにもならなかった挙げ句、WordPressをインストールし直した人も結構いたようです。
この時期のプラグインのフォーラムを見ると、「Crush」という言葉が飛び交い阿鼻叫喚な様相。特に商用でWordPressを利用していたところは大ダメージだったようです。
なお、Quick Cache無料版の次のバージョンでこの問題は解決されたようです。単なる仕様上のミスだったとのこと。
すぐに解決されたので良かったといえば良かったのですが、プラグインに対する不信感を持つには十分なトラブルでした。実際ブログが壊れてしまった人達からすれば気が気ではなかったでしょう。
必要な機能が有料になった
この時のバージョンアップで最も大きかったのがこの変更です。
バージョンアップした無料版のQuick cacheでは
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管理画面の「Clear Cache」のボタン
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ユーザーエージェント毎のキャッシュ出し分け
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ログイン管理者にはキャッシュを見せない設定
などの、これがあるからこそこのプラグインを使っていた、という機能のほとんどが省かれていました。それらの機能は有料版のQuick Cache Proを購入しなければ使えません。
ようするに無料版はあるけれども実質有料化したという事です。
有料化に対する不満の声も結構あり、Quick Cacheが本来持っていた機能を無料のままで使いたい人達は「旧バージョンをそのままアップデートせずに使い続ける」という方法をとっています。
そして有料版を購入しようにも、PHP5.2のトラブルがあったようにプラグイン制作側に対する不信感がかなり高まっていた時期なので、簡単にお金を出すという気になれなかったのも事実です。
ともあれ有料版のQuick Cache Proを購入する事に
自分の場合、プラグインの有料化に対する拒否感はそんなにありませんでした。といいつつ去年の11月のアップデートから1月の今まで購入しようか迷っていたのは内緒です。
継続して使うなら制作者にお金が入って欲しいと考えた
長年にわたって提供されているプラグインであるほど開発と継続には時間や手間暇がかかっている訳であり、それらを全て無料で提供しろというのはよく考えれば勝手な話です。
WordPressの場合、そもそも本体が無料な上に有名プラグインのほとんどが無償で提供されています。だからこそ多くの人に使われ世界中で愛用されながら進化しつづけるという面がありますが、裏を返せば危険な面もあります。
プラグイン開発者のほとんどは個人です。
無料で提供されているのはそういった方々の善意によるもの。
しかし見返りがなければモチベーションが落ちるのも確かです。
そして気持ちが切れた途端、プラグインの管理から手を引いても仕方がありません。
個人のやる気と善意のみに頼っていると、本当に継続が難しいのです。
もしくはこの先何十年か経過したのちプラグイン制作者が鬼籍に入ったりした場合、そのプラグインはどうなってしまうでしょうか?
そういう意味では、会社などがCMSを採用する時に無料のWordPressではなく、有償でしかも法人が管理しているMovable Typeを選ぶというのは理に叶っています。
「継続したメンテナンス」という面では信用度が段違い。
これらも有償ならばこそ保証されるものです。
過去にも有名プラグインがある日更新されなくなり、そのまま放置されているという事態を何度も目にしました。
そうならないように、自分が本当に役に立つと思っているプラグインにならやはり多少のお金は出してもいいのではと考えます。
これはAndroidやiOSのアプリなどにもいえる事。
自分たちの仕事もそうですが、物理的な物体を生み出さない仕事に対してお金を出し渋られる傾向がよく見受けられます。ですがその感覚は早く改善されるべきではないでしょうか。
Quick Cache Proの金額は15ドル
といってもさすがに何万円もするものなら考え直します。
しかしQuick Cache Proは15ドル。
2014/1の下旬で大体1ドル102円ぐらい。
普通にブログ書いていてアドセンスでも貼っていればすぐに回収できる金額です。
フォーラムでの質疑応答を見ると、1つライセンスを購入すれば自分の手持ちのサイト全部で使用してもいいとの事。かつ今後のバージョンアップも当然無料。
ならば購入しようかという結論になりました。
ただ海外のサイトでの決済になるので、あまり普段そういう事をしないぶん事前にある程度情報がないと不安です。誰かブログでもいいので実際にQuick Cache Proのライセンスを購入した人の情報がないかなと探してみたのですが見つからず。
仕方がないので恐る恐るですが、手探りでやってみる事に挑戦です。
購入手順はまた別の記事で。