株式会社の設立に際し、必ず必要となってくる「定款認証」という作業。
会社の基本ルールである「定款」を作成し、公証役場において「認証」というお墨付きをもらう非常に重要な行程です。
いくつか例外はあるもののこの「定款認証」をしなければ株式会社は成立しません。ただし、公証役場でこの「定款認証」をしてもらおうとすると、なんだかんだで10万円近い費用がかかってしまいます。
ところがこの「定款」を紙媒体ではなく電子データで作成すると、印紙税がかからなくなるので4万円ほど費用を抑えることが出来ます。
これを「電子定款認証」と呼びます。
このあたりは様々な方のサイトやこのブログなどでも繰り返し説明しているので、これ以上深い説明は省略します。
ということで本題。
この「電子定款認証」をする為にはいくつかのソフトウェアなりアプリが必要となります。あまりその方面詳しくなければ、最初のうちは結構設定に手間取ります。そのソフトウェアの中のひとつAdobe Acrobat。これがなかなかのお値段します。
なお、勘違いしやすいですがこのAdobe AcrobatはPDFファイルを作成する為に使用するのではありません。PDFを作成するだけならWordの機能で十分ですし、フリーソフトやサードパーティのソフトウェアを使っても可能です。
Adobe Acrobatが必要になるのは、クライアントソフトと組み合わせて電子証明書をPDFファイルに組み込む場面。このあたりをフリーでやろうとすれば、出来なくはないですが、少し詳しい知識が必要となります。
サードパーティのソフトもいくつか存在しますが、どうせ業務で使用するならAdobe Acrobatを入手するほうが無駄がなくていいでしょう。
このAdobe Acrobat、現在のところ(2011/8)最新バージョンはAcrobatX。数字でいえばVer10です。
ところがこのAcrobatXは今の時点ではオンライン申請には使えません。
AdobeAcrobat10の動作検証結果および今後の対応について
(平成23年3月3日)
平成22年12月8日付け当欄にてお知らせしておりましたとおり、AdobeAcrobat10につきましては、法務省オンライン申請システム(以下「当システム」という。)において動作検証を実施してきたところですが、今般、動作検証作業が終了し、次のとおり、AdobeAcrobat10は当システム上でご利用いただけないことが判明いたしました。
※)追記 新しい登記・供託オンラインシステムではAcrobat10の使用が可能です。→2011/9/7
あくまで現時点では無理というだけなのでそのうち対応してくれるとは思いますが(法務省オンライン申請自体が廃止予定なので、このまま対応しない可能性も結構あります)、いずれにしてもAcrobatXは使えません。
となると最新のバージョンは1つ前のAcrobat9となります。AcrobatXが出たことにより1つ前のバージョンであるAcrobat9は市場において非常にこなれた値段となっており、お求めやすくなっています。
ちなみに当事務所は、今までかなり以前のバージョンであるAcrobat7を使用していました。法務省オンライン申請システムにおいて推奨されるバージョンではありませんでしたが、特に不具合もなく快調に稼働しています。
しかしほどよくAcrobat9も入手しやすくなっていたので、これを機会にAcrobat9へとバージョンアップすることにしました。
バージョンアップの手順
電子証明書は既にPCにインストールされているという前提での作業です。
(1)旧ソフトウェアをアンインストール
-
署名クライアントソフト(SignedPDFなど)
-
Adobe Acrobat7
上記2つのソフトウェアをアンインストール
(2)Acrobat9をインストール
アップグレード版ではなく、単体商品を入手したので新規インストール。
インストール後アップデートを確認。
→バージョン9.4.5にアップデート
署名クライアントソフトをインストール(必ずAcrobatをインストールした後)。
(3)Acrobat9に署名クライアントソフトを組み込み。
SignedPDFの場合はこちらから説明書をダウンロードして参照しつつ。もしくは行政書士連合会の定款作成業務のページからマニュアルを入手して見比べながら。
(4)動作確認
実際に適当なWordファイルをPDFに変換
↓
電子署名
↓
署名を検証、確認
これでOK。
作業そのものはそんなにすることはありませんが、とにかく待ち時間が非常に長いです。
思ったより時間がかかってしまいました。
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