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2011-09-15

NPO法人の理事の選任について

ここのところNPO法人の理事について色々と調べていたので少しメモ書き。

最近ニュースなどでもNPO法人がらみの不正事件をちょくちょく見かけます。
最近というか数年前から。

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Building / bgreenlee

NPO法人の運営組織

基本的にNPO法人を運営していくのは【理事】という役職です。

設立時からグレーな人物がこの【理事】という役職についている場合はどうしようもありません。困るのは運営している間によくわからない人物が新しく【理事】として参画してくるケース。

悪意を持って。
いわゆる「乗っ取り」です。

数年前にもとある地方のNPO法人が、経営陣を丸ごと非合法な団体に入れ替わってしまった事がありました。

前提知識として、

NPO法人の組織構成

■理事会・・・・実質NPO法人を運営している機関

・理事 -株式会社でいうところの「取締役」

・監事 -株式会社でいうところの「監査役」

■社員総会・・・NPO法人の最高意思決定機関、社員(正会員)によって構成される

・社員(正会員) -株式会社でいうところの「株主」

株式会社であれば基本的に「株式」を取得した人が「株主」になります。そして上場企業でもない限り、ほとんどの株式会社は定款において「譲渡制限」をいう規定を設け、好ましくない人物が勝手に株主になることのないように予防しています。

また一般社団法人などでは、「社員」希望者が申し込んできたとしても理事の判断によりある程度自由に断ることができるように定款に定める事が出来ます。
これによって、勝手に知らない人物が「社員」になることを防げます。

しかしNPO法人は【広く門戸を開放する】ということが前提となっている為、上記のような「社員」の参加希望者に対して制限を設けるということを制限しています。

※合理的な理由のある制限はOK。

その為、不特定多数の好ましくない人物が社員として参画してこようとした場合、それを防ぐことは難しいのが現状です。

ただしここで少し注意して欲しいのは、NPO法人を実質運営しているのは【理事】であり、その集合体である【理事会】であるということです。言い回しが難しいですが、最高意思決定機関でありつつも【社員総会】が直接運営している訳ではありません。

好ましくない人物が社員の大多数を占めたとしても、「その時点」においては運営方針がガラっと変えられてしまうほど、直接的に変化はないのです。
(もちろん定款変更で事業目的を変えられてしまうという懸念もありますが、それはそれでスムーズにいく訳ではありません)

つまり、困るのはそこから先。
直接運営に影響を与える【理事】に好ましくない人物がなってしまう場合です。

逆に考えると、これをある程度防いでおけば(100%は無理)、最悪の事態(乗っ取りなど)を回避できる確率が上昇します。

NPO法人を乗っ取られにくくするには

ではここで問題。

Q.【理事】の選任(人事・指名)の権限をもっているのはどの機関か?

A.理事会か社員総会か、どちらか定款において定められたほうの機関

つまり新しく誰が理事になるのかを、定款で定めることによって理事会or社員総会のどちらで決めるのかを選ぶ事ができるのです。

ここで【理事の選任】を理事会の権能(理事会が決める事ができる)としておけば、よくわからない人物が新しい理事として参画してくる事を制御することができます。社員にどれほど新しい人物が増えたところで、社員総会で理事を選任することはできません。

ただしこの規定は定款によって定められるものなので、「定款を変更」されてしまえば変えられてしまいます。

では「定款の変更」についてはどこの機関が権限を持っているのかというと、これは【社員総会】です。他の機関に変更することはできません(NPO法25条)。しかし決議要件を変更する(事前に変更しておく)事は可能です。

そこで悪意を持った定款変更をある程度制御する為には、定款変更に必要な決議要件をかなり厳し目に設定しておくことが考えられます。これにより、総会における拒否権を比較的容易に発動しやすくする条件を整えておく訳です。

ただしNPO法人の理事の選任を【理事会の権能】とした場合、ひとつ実務上の問題が発生します。

それは【理事の任期】について。 →続く

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