株式会社設立手続きの中心となるのは定款の作成です。
定款とは会社の様々な決まり事を定めた憲法のようなもの。
そしてこの【定款】はただ作成するだけでは有効とならず、必ず公証役場にて【認証】を受けなければなりません。
Old document with nice stamp / storebukkebruse
公証役場にて定款を認証する際、行政書士が代行するのであれば委任状が必要となります。特に決まった様式というものはありませんが雛形っぽいものは大体こんな内容です。
※注
電子定款認証の場合。紙の定款認証では内容が少し変わります。
委 任 状
代理人 行政書士 ○○○○
登録番号 第××××号
住所 大阪府△△市△△△町△△丁目△△
私は、上記の者を代理人と定め、次の権限を委任します。
1 株式会社○○の設立に際し、本委任状添付の内容の電磁的記録による原始定款を作成すること及び指定公証人の認証を受ける嘱託手続きに関する一切の件
2 指定公証人の行う電磁的記録に関する事務に関する省令第16条第2項に基づき、上記の定款について同一の情報の提供を請求し、これを受領する手続きに関する一切の件
3 原本還付の請求及び受領に関する一切の件
4 上記3項についての復代理人選任に関する一切の件
平成○○年○○月○○日
(商号)株式会社○○
(住所)大阪府○○市○○町○○丁目○○
(氏名) 発起人 A 印
このブログのカラム幅のおかげでごちゃごちゃしていますが、Word等で作成する場合は少しレイアウトに凝ってみると良い感じになります。
あとはこの委任状を一番上にして、下に定款案を印刷したものを重ね、左端を製本テープなどで袋とじにして押印します。このひとまとまりをもって、ひとつの【委任状】として扱われます。
押印箇所は3箇所
-
名前の横
-
委任状上部のどこか(捨て印)
-
袋綴じ部分の割り印
一番下の【発起人】の部分は発起人の人数が増える毎に項目を追加していきます。その為人数が多いと紙面が一杯になってしまい載りきらなくなります。
その場合は無理して一面に載せる必要はなく、委任状が2枚に渡っても問題ありません。どちらにせよ袋綴じにしてしまいますので一緒。
ただ発起人が多いと押印してもらう人数も増えますので、委任状がハンコまみれになってしまいます。持ち回りで順繰りに押印してもらうのもなかなか大変です。
ではここでひとつ問題。
例えばこの発起人が4名いた場合。一番下の発起人記名押印部分は
・・・・(略)・・・・
(住所)大阪府○○市○○町○○丁目○○
(氏名) 発起人 A 印
(住所)奈良県○○市○○町○○丁目○○
(氏名) 発起人 B 印
(住所)京都府○○市○○町○○丁目○○
(氏名) 発起人 C 印
(住所)兵庫県○○市○○町○○丁目○○
(氏名) 発起人 D 印
1枚の委任状ではこのような状態になります。
これを
・・・・(略)・・・・
(住所)大阪府○○市○○町○○丁目○○
(氏名) 発起人 A 印
(住所)奈良県○○市○○町○○丁目○○
(氏名) 発起人 B 印
・・・・(略)・・・・
(住所)京都府○○市○○町○○丁目○○
(氏名) 発起人 C 印
(住所)兵庫県○○市○○町○○丁目○○
(氏名) 発起人 D 印
このように2名ごとに別々の2通の委任状へと分けてしまっても構わないのでしょうか?
答えは構いません。
その代わり、それぞれの委任状毎に定款内容を印刷したものを合綴し、袋綴じにする必要があります。
発起人が4名の場合に、2名・2名だけでなく1名・3名で分けて委任状を作成する事も可能です。
このやり方ですと、発起人が3名いて一人が東京在住、2人が大阪在住といったような場合にも、東京へ委任状を郵送しながら同時に大阪でも押印をもらいにいけたりするので、案外便利です。
紙の定款では、定款そのものに押印してもらう関係上、委任状は分離できるかも知れませんが定款を分けて押印してもらうという事が出来ません。
必ず一つの定款に(3通作成する事になりますが)全員で押印してもらわなければならないのです。
そういった点においても、電子定款は紙の定款に比べ、単に印紙代が安くなるというだけではなく、それ以外の取り回しの部分でも扱いやすいものとなっています。