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2014-11-04

紙ベースで認証した定款の謄本を会社設立後に公証役場へ請求する時の委任状とか手順とかメモ

株式会社を設立する時に必要な作業がいくつかありますが、必ずしなければならないのが定款の認証です。

定款とはその会社の基本的な事項やルール(会社名や事業目的、機関についてなど)を定めたものです。これはただ作成しただけでは駄目で、公証役場で認証してもらう事により初めて効力を持ちます。

Last Will And Testament
Last Will And Testament / Ken_Mayer

定款の認証方法には2種類ある

この定款の認証には2通りの方法があります。
ひとつは従来一般的であった、3部印刷した定款を公証役場へ持ち込み、そこで認証を受けその内の1部を公証役場で保存してもらうという方法。
便宜上この記事の中では紙ベースで認証した定款と呼びます。

もう一つは印刷せず電子データ(PDFファイル)の定款へ電子署名をし、公証役場へ電子申請をして公証人より電子認証してもらうという方法。
こちらを電子定款と呼びます。

認証までの手順や見た目もかなり違いますが、どちらの方法で認証された定款でも効力は同じです。

目立って大きく違う点といえば、紙ベースで認証した定款には4万円分の収入印紙を貼らなければなりませんが、電子定款はその必要がありません。
つまり電子定款を利用した方が設立時において4万円の費用が節約できるという事です。

まだまだ紙ベースで定款が認証されている事も多い

設立時に士業が関わるのなら、お客様の費用負担の事も考えて認証方法に電子認証を選択する事がほとんどだと思います。
電子定款を作成した会社が設立後に何かデメリットがあるかといえば全くありませんので。

ではここ数年設立される会社が全て電子定款を使っているかといえば、そうでもありません。今でも紙ベースで定款認証している株式会社もそれなりにあるようです。

わりと最近設立された若い株式会社から設立後に何らかの手続きを頼まれた際に、定款を見せてもらうと電子定款でない事もあります。
そのあたり事情を聞いた事はありませんが、何かしら紙を選んだ理由があるのでしょう。

電子定款と紙ベースの定款では謄本の請求手順が少し違う

紙ベースで定款認証する場合は、上記したように最初に3部作成し公証役場へ持ち込み、認証を受けた後1部を謄本として公証役場へ保管してもらいます。
そして残りの2部を持ち帰り、そのうち1部を設立登記申請時に法務局へ提出し、残った1部を会社で保管するという運用が一般的です。

電子定款の場合も認証を受けたあと定款データはCD-Rなどに格納して渡して貰えますが、それとは別に謄本(電子定款の場合同一情報と呼びます)を印刷してもらい、印刷してもらった謄本(同一情報)を提出や保存用として使用します。

どちらの認証方法でも、会社の設立が終わった後に何らかの事情で定款謄本が必要になった時、公証役場に請求して謄本(同一情報)を発行してもらう事が可能です。

何らかの事情というのは、たいていの場合、保存用の定款を紛失してしまったというようなケースです。意外に思うかもしれませんが、定款がどこかへいって見つからないという話はそこそこあります。

ちなみに謄本が公証役場で保存される期間は20年とされています。
この期間が過ぎた場合は公証役場に請求しても定款謄本の発行ができない事がありますので、その時は別の方法を考えなければなりません。

この定款謄本の請求方法は、紙ベースで認証した定款なのか電子認証した電子定款なのかで手順が違います。

以前の記事で電子定款の謄本請求(同一情報の請求)については書きましたので、今回は紙ベースで認証した定款の謄本を公証役場へ請求する時の必要なものや手順について。

紙ベースで認証した定款謄本を公証役場へ請求する時に必要なもの

紙の定款謄本を請求する時の必要書類は、電子定款の謄本請求(同一情報の請求)の時を同じです。

必要なのは

  • 行政書士への請求代理の委任状

  • 請求する法人の印鑑証明書

  • 請求する法人の代表者の資格を証明する書面

  • 謄本発行手数料

以上の4点。

ただしこれは法人より行政書士が定款謄本の代理請求を依頼された場合の必要書類。

もしその行政書士が会社設立時にその定款を作成した本人であれば、定款作成代理人という当事者として本人請求ができます。その場合、当然ながら代理請求でありませんので委任状などの書類は不要であり、必要書類は変わってきます。もっと簡単になります。

なお定款謄本を公証役場へ請求できるのはその法人の利害関係人のみ。これに関しては電子定款の謄本請求(同一情報の請求)と同じなので説明を省きます。
電子認証した定款の謄本を設立後に請求(同一情報の請求)する際の委任状とか必要な書類とかその他

以下は、すべて「株式会社から行政書士が定款謄本の代理請求を委任された」というケースでの説明。

委任状のひな形

この時に使用する委任状は「定款謄本交付の申し立てと受領」を委任してもらえばいいだけなので、それらしき文面でいいです。

だいたい公証役場に聞いてみると委任状のひな形をFAXしてもらますので、その通りに作成すればOK。自分の場合は送ってもらったひな形をちょっとだけカスタマイズしてこんな委任状を使いました。

委任状

代理人 行政書士 ○○○○
登録番号 第○○○○号
住所 大阪府○○市○○町~

私は、上記の者を代理人と定め、次の権限を委任します。

1 大阪法務局所属公証人○○○の認証にかかる

(登簿番号)平成○○年 第○○○号
(商号)株式会社○○○○   の

定款謄本交付の申し立て及び受領に関する一切の件

2 原本還付の請求及び受領に関する一切の件
3 上記2項についての復代理人選任に関する一切の件

平成○○年○月○日

(住所)大阪府○○○市~ ←本店所在地の住所
(商号)株式会社○○○○
(代表取締役) ○○○○   (印)←会社代表印

このケースの場合、押印してもらう印鑑は会社の代表印です。
念の為どこかに捨て印ももらっておきましょう。

会社に用意してもらうもの

あとは請求する株式会社の印鑑証明書と代表者の資格を証明する書面が必要です。
「代表者の資格を証明する書面」については、公証役場では代表者資格証明書を案内される事が多いのですが、「商業登記簿謄本でいいですか?」と聞いてみるとほとんどそっちで大丈夫。

要するにその法人の代表者が明記されている公的な証明書であればいいわけです。

ただ、こういった書面はこちらで用意するよりもその法人に用意してもらう事が多いと思います。

正直どの書類でも法務局で請求する手順にほぼ違いがないので、どっちの書面を用意してもらっても構いません。でも代表者資格証明書というあまり聞き慣れない書面より登記簿謄本という比較的なじみのある名前の方が説明しやすいので、商業登記簿謄本をおすすめします。

商業登記簿謄本にはいくつか種類がありますが、この場合は現在事項証明書でOK。
そしてお約束ですけれど、法人印鑑証明書も登記簿謄本も取得後3ヶ月以内のものを。

また添付書類は原本還付してもらえますので、法人の印鑑証明書などは返してもらって他の手続き等で使い回す事も可能です。

手数料

手数料は定款謄本の内容1枚につき250円

ただし定款の表紙部分や収入印紙の貼り付けスペースなどは定款の一部とは見なされないために費用から省かれます。

また後述しますが定款謄本を設立後に追加で発行してもらう場合、元々の定款に加えて「以上は定款である」という認証文のような1ページが追加されますのでそれも+250円となります。

さらに、1ページの裏表に定款内容が記載されている場合、2枚と計算されるのではなく裏表2ページ合わせて1枚、つまり250円となります。

少しややこしいので手元に定款謄本がある場合でも、結局費用がいくらになるのか細かい金額がわからなくなる事があります。

その為、少し多めにお金を用意していくか、お客様に説明する為に正確な金額が必要になるというのであれば一度公証役場で計算をしてもらって事前に教えてもらう方がいいでしょう。

公証役場へ定款謄本を請求する手順

電子定款の謄本請求(同一情報の請求)と違い、紙ベースでの定款謄本の請求は「請求に必要な書類を揃える→公証役場へ行って発行してもらう」という比較的少ない手順となります。

電子定款の場合、謄本の請求も電子申請でしなければなりませんが、紙ベースで認証をした時はその後の手続きに関しても、そういったネットを介しての手続きをする必要はありません。

いきなり公証役場へ行くよりまず電話

必要な物が揃ったからといっていきなり公証役場へ足を運び、手続きをするというのはやめておいた方がいいでしょう。
電子定款と違い紙ベースで認証した定款は物理的な書類という物体で公証役場へ保管されています。ですので探すのはすべて手作業になります。

わりと最近認証された会社の定款であったり規模の小さな公証役場であればそれほど手間でもないかも知れません。しかし結構古い定款(公証役場には20年間くらい保存されます)や規模の大きな公証役場で年間に相当数の定款認証をしているところなどでは探し出すのにそこそこ時間がかかります。

ですので、手順としてはまず先に公証役場へ電話して目的の定款謄本を探しておいてもらうとスムーズに事が進むでしょう。

公証役場へ電話して定款謄本を発行してもらう事を依頼。
おそらく電話してすぐ見つからないので、用意しておいてもらう。
(この時に頼めば委任状などのひな形もFAXしてもらえます。)

委任状や商業登記簿謄本などの必要書類を集めたり押印してもらったりする。

必要なものが揃えば公証役場へ電話し、何月何日の何時頃に受け取りに行くか日程の調整。

調整した日に受け取りに行く。

この手順ならすでに定款謄本を用意してもらっているので、すぐに受け取れます。

公証役場で定款謄本を探してもらう時に必要な情報

公証役場に定款謄本の発行を依頼する時に必要なのは、いったいどの会社の定款謄本なのかを特定する事。

公証役場では、何年もの間に膨大な数の会社の定款認証をして謄本を保管しているので、一体いつのどの会社の事なのか特定できなければ探し出すのが大変です。

手元に認証した際の定款があるのなら、その末尾にある認証文に必要な情報が記載されています。
(この画像は本物ではなくコピー。)

まずその法人名、認証登簿番号(平成○○年 第○○号といった番号)、そして何年の何月何日に認証されたかという日付。大前提としてどこの公証役場のなんという公証人に認証してもらったかという情報。これらを発行してもらう公証役場へ伝えなければいけません。

定款謄本そのものがあれば問題ありませんし、コピーしかないという場合でもこれらの情報は読み取れるので大丈夫です。ただ定款謄本が全く見当たらないという状況も当然あります。

そんな時は、まず認証を頼んだ行政書士や司法書士に連絡をとって記録なり元データなりがないか聞いてみましょう。ほぼ間違いなく業務の記録は残しているはずなので見つかると思います。

自分たちで認証手続きをしたというような状況で、そういった連絡先がないような場合は、もし創業時や現在において税務をお願いしている税理士事務所などがあるのならそちらへも聞く事も大事。

たいてい税理士事務所に税務面で顧問などについてもらっている場合は、その契約時に定款のコピーを渡していると思います。その為、税理士事務所の方で定款のコピーを保存している事が多いです。FAXなどで送ってもらいましょう。

それらすべてがない場合はどうするか。

その時は上記の必要な情報の中でわかるものをとにかく探し、調べます。
会社名はさすがにわかっていると思いますので、設立の年月日からだいたいこのあたりに認証しているはずというおおよその期間を想定します。もしその頃の領収書などが見つければかなり幸運。有力な情報です。

公証役場や公証人もどうにか調べて該当する公証役場へ連絡し、あとはわかっている限りの情報を連絡して探してもらうしかありません。

そういった点ではリスクヘッジの意味でも、会社設立の手続きは自分達でやってしまうより専門職に外注しておいた方がいいのかという気はします。

うちの事務所でも、何年も前に認証した定款についての問い合わせが当時の発起人さんや現在のその会社の事務員さんなどからくる事があります。
データは全て残っているので問題なく回答や必要な物の送付ができます。

実際に定款の謄本を交付してもらう

約束した日の指定時間に公証役場へ向かい、必要書類を渡し費用を払って定款謄本を受け取ります。前もって準備してもらえていますのでここの手続きはスムーズです。

特に注意点などはありません。

紙ベースで認証した定款の謄本を公証役場で発行(再発行?)してもらった場合、こんな謄本がもらえます。

公証役場へ保管されている謄本をコピーして冊子状にし、各ページへ公証人の契印がされるという状態です。

ただ元々冊子状になっている謄本をコピー機に押しつけ、複製して更に冊子にしていますので、そんなに綺麗ではありません。

電子定款の謄本(同一情報)発行は、電子データを再印刷するので見た目は本当に綺麗です。そのあたりが違うところといえば違うところ。

なお一番最初に定款認証した時はページの一番最後に公証人の「認証文」がきますが、

再発行した定款謄本は更にその後ろへ再発行した日付付きの「以上は謄本である」という1ページが追加されます。

上述しましたが、手数料は定款のページ数×250円となっており、この最後の1ページも追加で250円かかります。もし定款謄本の発行手続きに行くのであれば、ぎりぎりではなくちょっと多めにお金を持っていった方が困らなくてすみます。

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